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モノリシックからマイクロサービスへの移行戦略と実践

公開日: 2024年2月22日 著者: mogura
モノリシックからマイクロサービスへの移行戦略と実践

疑問

モノリシックアプリケーションからマイクロサービスへ移行する際、どのような戦略とアプローチを取ればよいのでしょうか?段階的な移行方法について一緒に学んでいきましょう。

導入

多くの企業が、成長とともにモノリシックアプリケーションの限界に直面し、マイクロサービスへの移行を検討しています。しかし、移行は簡単ではなく、適切な戦略と計画が必要です。

本記事では、モノリシックからマイクロサービスへの移行戦略、段階的なアプローチ、データベースの分離、API設計、実践的な移行パターンまで、実践的な観点から詳しく解説します。

モノリシックからマイクロサービスへの移行のイメージ

解説

1. 移行の動機

モノリシックアプリケーションからマイクロサービスへの移行を検討する際、まず移行の動機と背景を理解することが重要です。モノリシックの課題とマイクロサービスの利点を明確にすることで、適切な移行戦略を立てられます。

モノリシックアプリケーションからマイクロサービスへの移行を検討する際、まず移行の動機と背景を理解することが重要です。モノリシックアプリケーションは初期の開発には適していますが、成長とともに様々な課題に直面します。

一方、マイクロサービスアーキテクチャは、独立したサービスの集合体として、スケーラビリティ、柔軟性、チームの独立性を提供します。本セクションでは、モノリシックの課題とマイクロサービスの利点を詳しく解説します。

モノリシックの課題

- スケーリングの困難: 全体をスケールする必要がある
- デプロイのリスク: 小さな変更でも全体をデプロイ
- 技術スタックの制約: 単一の技術スタックに縛られる
- チーム間の競合: 複数のチームが同じコードベースを共有

マイクロサービスの利点

- 独立したスケーリング: 必要なサービスだけをスケール
- 独立したデプロイ: サービスごとにデプロイ可能
- 技術的多様性: サービスごとに最適な技術を選択
- チームの独立性: チームがサービスを独立して開発

2. 移行戦略の選択

移行戦略の選択は、移行の成功を左右する重要な決定です。ビッグバン移行と段階的移行の違い、それぞれのリスクとメリットを理解し、プロジェクトに適した戦略を選択します。

移行戦略の選択は、モノリシックからマイクロサービスへの移行の成功を左右する重要な決定です。移行には大きく分けて2つのアプローチがあります:ビッグバン移行と段階的移行です。

ビッグバン移行は一度にすべてを移行するアプローチですが、リスクが高く、通常は推奨されません。一方、段階的移行は、リスクを分散させながら段階的にサービスを分離していくアプローチで、実践的なプロジェクトで広く採用されています。

ビッグバン移行 vs 段階的移行

❌ ビッグバン移行:
- 一度にすべてを移行
- リスクが高い
- 推奨されない
✅ 段階的移行:
- 段階的にサービスを分離
- リスクが低い
- 推奨されるアプローチ

3. ストラングラーパターン

ストラングラーパターンは、既存のモノリシックを段階的に置き換えるパターンです。新しい機能をマイクロサービスとして実装し、既存システムと並行して動作させながら、段階的にトラフィックを移行します。

ストラングラーパターン(Strangler Pattern)は、Martin Fowlerによって提唱された、既存のモノリシックアプリケーションを段階的に置き換えるパターンです。このパターンは、熱帯雨林の「ストラングラーフィグ」が既存の木を包み込んで置き換えていく様子から名付けられました。

ストラングラーパターンでは、新しい機能をマイクロサービスとして実装し、既存のモノリシックと並行して動作させます。段階的にトラフィックを新しいサービスに移行し、最終的にモノリシックを完全に置き換えます。このアプローチにより、リスクを最小限に抑えながら移行を進められます。

実装例

ストラングラーパターンの実装では、以下のステップを踏みます:

1. 新機能の実装: 新しい機能をマイクロサービスとして実装
2. 並行運用: モノリシックとマイクロサービスを並行して運用
3. トラフィックの段階的移行: ルーティングルールを変更し、段階的にトラフィックを移行
4. 検証とモニタリング: 新しいサービスの動作を検証し、問題があればロールバック
5. 完全移行: すべてのトラフィックを移行し、モノリシックの該当部分を削除

このアプローチにより、リスクを最小限に抑えながら、段階的に移行を進められます。

4. サービス境界の特定

サービス境界の特定は、マイクロサービスアーキテクチャの設計において最も重要なステップの1つです。適切な境界を設定することで、サービス間の結合を最小化し、独立性を確保できます。

サービス境界の特定は、マイクロサービスアーキテクチャの設計において最も重要なステップの1つです。適切なサービス境界を設定することで、サービス間の結合を最小化し、各サービスの独立性を確保できます。

サービス境界を特定するには、ドメイン分析、ビジネス能力の識別、データの関係性の理解など、複数の観点から検討する必要があります。本セクションでは、サービス境界を特定するための実践的なアプローチを解説します。

ドメイン分析

ドメイン分析は、サービス境界を特定するための基本的なアプローチです。ドメイン駆動設計(DDD)の概念を活用し、ビジネスドメインを分析します。

分析の観点:
- 有界コンテキスト(Bounded Context): ドメインの境界を識別
- エンティティと集約: 関連するエンティティをグループ化
- ビジネス能力: ビジネスの機能単位を識別
- データの関係性: データの結合度を分析

実践的な手順:
1. ビジネスドメインを分析し、有界コンテキストを特定
2. 各コンテキスト内のエンティティと集約を識別
3. コンテキスト間の関係性を理解
4. サービス候補として各有界コンテキストを検討

サービス候補の特定

ドメイン分析の結果を基に、サービス候補を特定します。以下の基準を考慮します:

サービス候補の基準:
- ビジネス能力: 独立したビジネス機能を持つ
- データの独立性: 独自のデータストアを持つことができる
- チームの独立性: 独立したチームが開発・運用できる
- スケーリング要件: 異なるスケーリング要件を持つ
- 技術スタック: 異なる技術スタックを使用できる

注意点:
- サービスを小さくしすぎない(過剰な分散を避ける)
- サービス間の通信コストを考慮
- データの一貫性要件を理解
- 運用の複雑さを考慮

5. データベースの分離

データベースの分離は、マイクロサービスアーキテクチャの重要な原則です。各サービスが独自のデータベースを持つことで、サービス間の結合を最小化し、独立性を確保します。

データベースの分離は、マイクロサービスアーキテクチャの重要な原則です。「データベースパーサービスパターン(Database per Service Pattern)」により、各サービスが独自のデータベースを持ち、他のサービスのデータベースに直接アクセスしないようにします。

この分離により、サービス間の結合を最小化し、各サービスが独立してスケール、デプロイ、変更できるようになります。ただし、データの一貫性やトランザクションの管理には、新しいアプローチが必要になります。

データベースパーサービスパターン

データベースパーサービスパターンは、各マイクロサービスが独自のデータベースを持つパターンです。

パターンの特徴:
- 各サービスが独自のデータベーススキーマを持つ
- サービス間でデータベースを共有しない
- サービスはAPIを通じてのみ他のサービスのデータにアクセス
- データベースの種類をサービスごとに選択可能(SQL、NoSQLなど)

メリット:
- サービス間の結合を最小化
- 独立したスケーリングが可能
- 技術スタックの選択の自由度が高い
- 障害の影響範囲を限定

課題:
- 分散トランザクションの管理
- データの一貫性の保証
- サービス間のデータ同期
- クエリの複雑化(複数サービスにまたがるクエリ)

解決策:
- Sagaパターンによる分散トランザクション管理
- イベントソーシングとCQRS
- API Gatewayによるデータの集約
- 読み取り専用レプリカの活用

6. API設計とバージョニング

API設計とバージョニングは、マイクロサービス間の通信を管理する上で重要な要素です。適切なAPI設計により、サービス間の結合を緩和し、独立した進化を可能にします。

API設計とバージョニングは、マイクロサービス間の通信を管理する上で重要な要素です。マイクロサービスアーキテクチャでは、サービス間の通信が頻繁に行われるため、適切なAPI設計がシステムの品質を左右します。

API Gatewayパターンを使用することで、クライアントとマイクロサービス間の通信を一元管理し、認証、ルーティング、レート制限などの横断的関心事を処理できます。また、APIのバージョニング戦略により、サービスを独立して進化させながら、後方互換性を維持できます。

API Gatewayパターン

API Gatewayは、クライアントとマイクロサービス間の単一のエントリーポイントとして機能するパターンです。

API Gatewayの役割:
- ルーティング: リクエストを適切なマイクロサービスにルーティング
- 認証・認可: 統一された認証・認可の処理
- レート制限: リクエストのレート制限
- ロードバランシング: サービスインスタンスへの負荷分散
- プロトコル変換: HTTP、gRPC、WebSocketなどのプロトコル変換
- レスポンスの集約: 複数のサービスからのレスポンスを集約
- モニタリング: リクエストのロギングとモニタリング

実装例:
- Kong、AWS API Gateway、Zuul、Spring Cloud Gatewayなど
- カスタムAPI Gatewayの実装も可能

メリット:
- クライアントとマイクロサービスの結合を緩和
- 横断的関心事の一元管理
- セキュリティの強化
- パフォーマンスの最適化

バージョニング戦略

APIのバージョニングは、サービスを独立して進化させるために重要です。適切なバージョニング戦略により、後方互換性を維持しながら、サービスを更新できます。

バージョニングの方法:

1. URLパスバージョニング:
- /api/v1/users/api/v2/users
- シンプルで明確
- URLが長くなる

2. クエリパラメータバージョニング:
- /api/users?version=1
- URLがシンプル
- キャッシュが困難

3. ヘッダーバージョニング:
- Accept: application/vnd.api.v1+json
- URLがクリーン
- 実装が複雑

ベストプラクティス:
- 後方互換性を可能な限り維持
- 破壊的変更は新しいバージョンで提供
- 古いバージョンのサポート期間を明確に
- バージョン間の移行パスを提供
- ドキュメントを充実させる

7. 段階的な移行アプローチ

段階的な移行アプローチは、リスクを最小限に抑えながら、モノリシックからマイクロサービスへ移行する実践的な方法です。各フェーズで検証を行いながら、段階的に移行を進めます。

段階的な移行アプローチは、リスクを最小限に抑えながら、モノリシックからマイクロサービスへ移行する実践的な方法です。一度にすべてを移行するのではなく、小さなステップに分けて、各ステップで検証を行いながら進めます。

移行は通常、準備、最初のサービス分離、データの移行、トラフィックの移行という4つのフェーズに分けて進めます。各フェーズで十分な検証とモニタリングを行い、問題があれば迅速にロールバックできるようにします。

フェーズ1:準備

移行を開始する前に、十分な準備を行います。

準備の内容:
- モニタリングの整備: アプリケーションとインフラのモニタリングを整備
- CI/CDパイプラインの構築: マイクロサービスのデプロイメントパイプラインを準備
- チームのトレーニング: マイクロサービス開発のスキルを習得
- サービス候補の選定: 最初に移行するサービスを選定(低リスク、高価値)
- インフラの準備: コンテナオーケストレーション、サービスメッシュなどの準備
- ドキュメント化: 既存システムのドキュメント化

推奨される最初のサービス:
- 独立した機能を持つ
- 他のサービスへの依存が少ない
- ビジネス価値が高い
- リスクが低い

フェーズ2:最初のサービス分離

最初のサービスをモノリシックから分離します。

分離の手順:
1. サービスの実装: 選定した機能をマイクロサービスとして実装
2. データベースの準備: サービス専用のデータベースを準備
3. APIの実装: サービス間通信のためのAPIを実装
4. テスト: 単体テスト、統合テスト、エンドツーエンドテストを実施
5. デプロイ: ステージング環境にデプロイして検証

注意点:
- モノリシックとの並行運用を考慮
- データの同期方法を決定
- ロールバック計画を準備
- モニタリングとアラートを設定

フェーズ3:データの移行

データをモノリシックのデータベースから新しいサービスのデータベースに移行します。

データ移行のアプローチ:

1. 段階的なデータ移行:
- 新しいデータはマイクロサービスに書き込み
- 既存データは段階的に移行
- データの整合性を確認

2. 双方向同期:
- モノリシックとマイクロサービスの間でデータを同期
- 移行期間中は両方のデータベースを更新
- 同期の整合性を保証

3. 読み取りの移行:
- 読み取りを段階的にマイクロサービスに移行
- 書き込みは引き続きモノリシックで処理
- データの整合性を確認してから完全移行

注意点:
- データの整合性を保証
- 移行中のダウンタイムを最小化
- ロールバック計画を準備
- データ移行の進捗をモニタリング

フェーズ4:トラフィックの移行

トラフィックを段階的にマイクロサービスに移行します。

トラフィック移行の戦略:

1. カナリアリリース:
- 少数のトラフィック(例:1%)を新しいサービスにルーティング
- 問題がなければ段階的に割合を増やす(5%、10%、50%、100%)
- 各段階で十分な検証を行う

2. ブルー・グリーンデプロイメント:
- 新しいサービスを並行してデプロイ
- トラフィックを段階的に切り替え
- 問題があれば即座にロールバック

3. 機能フラグ:
- 機能フラグを使用してトラフィックを制御
- 特定のユーザーやリージョンから開始
- 段階的に範囲を拡大

検証のポイント:
- パフォーマンスの確認
- エラー率の監視
- ビジネスメトリクスの確認
- ユーザー体験の確認

完全移行:
- すべてのトラフィックを移行
- モニタリングを継続
- 問題がなければモノリシックの該当部分を削除

8. サービス間通信

サービス間通信は、マイクロサービスアーキテクチャの重要な要素です。同期通信と非同期通信の使い分け、それぞれのメリットとデメリットを理解し、適切な通信方式を選択します。

サービス間通信は、マイクロサービスアーキテクチャの重要な要素です。マイクロサービスは独立して動作しますが、ビジネス機能を実現するために、サービス間で通信する必要があります。

通信方式には、同期通信(HTTP、gRPC)と非同期通信(メッセージキュー、イベントストリーミング)があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、ユースケースに応じて適切な方式を選択する必要があります。本セクションでは、両方の通信方式について詳しく解説します。

同期通信

同期通信は、リクエスト・レスポンスパターンで、呼び出し側が応答を待つ通信方式です。

同期通信のプロトコル:
- HTTP/REST: シンプルで広く採用されている
- gRPC: 高性能で型安全なRPCフレームワーク
- GraphQL: 柔軟なクエリ言語

メリット:
- シンプルで理解しやすい
- 即座に結果が得られる
- デバッグが容易
- 広くサポートされている

デメリット:
- サービス間の結合が強くなる
- サービスがダウンすると影響が広がる(カスケード障害)
- レイテンシの累積
- タイムアウトの管理が必要

使用例:
- ユーザー認証の確認
- 在庫の確認
- 即座に結果が必要な操作

ベストプラクティス:
- タイムアウトを適切に設定
- サーキットブレーカーパターンの実装
- リトライロジックの実装
- フォールバックメカニズムの提供

非同期通信

非同期通信は、メッセージを送信して即座に応答を待たない通信方式です。メッセージキューやイベントストリーミングを使用します。

非同期通信のパターン:
- メッセージキュー: RabbitMQ、Amazon SQSなど
- イベントストリーミング: Apache Kafka、Amazon Kinesisなど
- Pub/Sub: Google Cloud Pub/Sub、AWS SNS/SQSなど

メリット:
- サービス間の結合が緩い(疎結合)
- スケーラビリティが高い
- 障害の影響が限定的
- バックプレッシャーの処理が容易

デメリット:
- 複雑性が増す
- メッセージの順序保証が難しい場合がある
- デバッグが困難
- 一貫性の保証が難しい

使用例:
- イベント通知
- バッチ処理のトリガー
- ログの集約
- 最終的な一貫性で十分な操作

ベストプラクティス:
- メッセージの冪等性を保証
- メッセージの順序を考慮
- デッドレターキュー(DLQ)の実装
- メッセージのスキーマバージョニング

9. モニタリングと観測性

モニタリングと観測性は、マイクロサービスアーキテクチャにおいて不可欠です。分散システムでは、各サービスを個別にモニタリングし、システム全体の健全性を把握する必要があります。

モニタリングと観測性は、マイクロサービスアーキテクチャにおいて不可欠です。モノリシックアプリケーションと異なり、マイクロサービスでは複数のサービスが分散して動作するため、各サービスを個別にモニタリングし、システム全体の健全性を把握する必要があります。

観測性(Observability)は、ログ(Logs)、メトリクス(Metrics)、トレース(Traces)の3つの柱で構成されます。これらを適切に収集・分析することで、問題の早期発見、パフォーマンスの最適化、ユーザー体験の向上が可能になります。

10. よくある課題と対策

マイクロサービスへの移行では、分散システムに特有の課題に直面します。分散トランザクション、データの一貫性、サービス間の結合などの課題と、それに対する対策を理解することが重要です。

マイクロサービスへの移行では、分散システムに特有の課題に直面します。モノリシックアプリケーションでは問題にならなかったことが、マイクロサービスでは大きな課題になることがあります。

主な課題として、分散トランザクションの管理、データの一貫性の保証、サービス間の結合、ネットワークのレイテンシ、運用の複雑さなどがあります。これらの課題に対して、適切なパターンとベストプラクティスを適用することで、解決できます。本セクションでは、よくある課題とその対策を詳しく解説します。

課題1:分散トランザクション

マイクロサービスでは、複数のサービスにまたがるトランザクションを管理する必要があります。

課題:
- ACIDトランザクションが複数のサービスにまたがれない
- 2相コミット(2PC)はパフォーマンスの問題がある
- サービスがダウンするとトランザクションが完了しない

対策:

1. Sagaパターン:
- 分散トランザクションを一連のローカルトランザクションに分解
- 各ステップで補償トランザクションを実装
- オーケストレーションまたはコレオグラフィのアプローチ

2. イベントソーシング:
- イベントのストリームとして状態を管理
- イベントの再生により状態を再構築
- トランザクションの代わりにイベントの順序を保証

3. 最終的な一貫性:
- 強一貫性を諦め、最終的な一貫性を受け入れる
- ビジネス要件に応じて一貫性レベルを選択

課題2:データの一貫性

各サービスが独自のデータベースを持つため、データの一貫性を保証することが困難になります。

課題:
- サービス間でデータを共有できない
- データの重複と同期の問題
- 読み取りの一貫性の保証が困難

対策:

1. CQRS(Command Query Responsibility Segregation):
- コマンド(書き込み)とクエリ(読み取り)を分離
- 読み取り専用のレプリカを使用
- イベントソーシングと組み合わせて使用

2. イベント駆動アーキテクチャ:
- サービス間でイベントを発行・購読
- イベントによりデータを同期
- 最終的な一貫性を実現

3. API Composition:
- 複数のサービスからデータを取得して集約
- API GatewayやBFF(Backend for Frontend)で実装
- キャッシュを活用してパフォーマンスを向上

課題3:サービス間の結合

サービス間の結合が強くなると、マイクロサービスの利点が失われます。

課題:
- サービス間の直接的な依存関係
- APIの変更による影響の拡大
- サービス間の通信の増加

対策:

1. APIのバージョニング:
- 後方互換性を維持
- 段階的なAPIの進化
- 破壊的変更を避ける

2. イベント駆動アーキテクチャ:
- サービス間の直接的な呼び出しを減らす
- イベントによる疎結合な通信
- サービス間の依存関係を最小化

3. ドメイン駆動設計:
- 適切なサービス境界の設定
- 有界コンテキストの明確化
- 共有カーネルを避ける

4. サービスメッシュ:
- サービス間通信の管理を抽象化
- レイテンシ、エラー率の管理
- セキュリティポリシーの一元管理

11. 移行チェックリスト

移行を成功させるために、各フェーズで確認すべき項目をチェックリストとしてまとめます。計画、実装、検証、運用の各段階で確認すべきポイントを明確にします。

移行を成功させるために、各フェーズで確認すべき項目をチェックリストとしてまとめます。計画段階から運用段階まで、各ステップで確認すべきポイントを明確にすることで、重要な項目を見落とすことを防げます。

チェックリストは、準備、実装、検証、運用の4つのカテゴリに分けて整理します。各項目を確認しながら移行を進めることで、リスクを最小限に抑え、成功確率を高められます。

12. ベストプラクティス

モノリシックからマイクロサービスへの移行を成功させるためのベストプラクティスをまとめます。段階的なアプローチ、適切なサービス境界の設定、モニタリングの重要性など、実践的なアドバイスを提供します。

モノリシックからマイクロサービスへの移行を成功させるためには、適切な戦略とベストプラクティスに従うことが重要です。移行は単なる技術的な作業ではなく、組織、プロセス、文化の変革も含みます。

本セクションでは、移行を成功させるためのベストプラクティスをまとめます。段階的なアプローチ、適切なサービス境界の設定、モニタリングと観測性の重要性、チームのトレーニング、ドキュメント化など、実践的なアドバイスを提供します。これらのベストプラクティスに従うことで、移行のリスクを最小限に抑え、成功確率を高められます。

まとめ

モノリシックからマイクロサービスへの移行は、段階的なアプローチと適切な戦略が重要です。ストラングラーパターンを使用し、サービス境界を特定し、データベースを段階的に分離することで、リスクを最小限に抑えながら移行できます。

API設計、モニタリング、テスト戦略を適切に計画し、チームのトレーニングとドキュメント化を進めることで、成功確率を高められます。実践的なプロジェクトで段階的に移行を進め、経験を積むことで、より良いマイクロサービスアーキテクチャを実現できます。

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